フリーランスの税金っていくら?
手取り額を知りたいけど、計算が面倒くさそう……。
と、思っていませんか?

こんにちは。【Cozy Home】のnakaです。
フリーランスの税金がいくらになるか、確定申告の前にある程度知っておきたい!そう感じている人も多いのではないでしょうか。
税金や保険料を差し引いた後の給与を受け取れる会社員と違い、フリーランスは前年の収入に応じた税金を後から支払う必要があります。
事前にシミュレーションしておかなければ、意外と高い支払額に「やばい……!」となってしまうこともあるかもしれません。
この記事では、フリーランスの税金がいくらになるのか、計算方法をわかりやすく解説します。
収入に応じた税金と保険料をシミュレーションし、きたるべき納付時期にそなえておきましょう!
※首都圏在住/20~39歳/独身/扶養家族なし/青色申告/個人事業税なし/経費は収入の3割で計算しています。
【年収別】フリーランスの税金・保険料をシミュレーション
フリーランスの税金がいくらになるか、早速年収別でシミュレーションしてみましょう。
年収300万~1,000万円を、早見表でまとめました。
※国民年金は、2021年度の月額(16,610円)×12ヶ月で計算しています。
年収 | 税金・保険料 | 手取り額 |
---|---|---|
300万円 | 45万1,728円 | 254万8,272円 |
400万円 | 61万3,508円 | 338万6,492円 |
500万円 | 77万5,188円 | 422万4,812円 |
600万円 | 96万5,668円 | 503万4,332円 |
700万円 | 115万9,048円 | 584万952円 |
800万円 | 140万1,128円 | 659万8,872円 |
900万円 | 165万7,808円 | 734万2,192円 |
1,000万円 | 191万4,488円 | 808万5,512円 |
表を見ると、収入が増えるにつれて税額も上がっていくのがわかりますよね。
これは、日本が累進課税制度を採用しているため。後で詳しく説明しますが、所得税率には5~45%もの開きがあるんです。

頑張って働けば、それだけ税金を多く取られるってことなんですよね…。
ちなみに、保険料率は居住地によって異なります。
上の早見表は、おおよその目安として見てくださいね。
フリーランスの税金・保険料はいくら?4ステップで計算
フリーランスの税金と保険料の計算方法を、4つのステップに分けて説明します。自分の収入にあてはめて、納付金額がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。
1.課税対象になる所得金額を出す
まずは、年収の中から課税対象になる所得を割り出します。
基本の計算式は[年収-経費-各種控除]です。控除には、主に以下の種類があります。
注意しておきたいのは、所得税の基礎控除は48万円、住民税と国民健康保険の基礎控除は43万円ということ。
さらに、所得税と住民税の計算では国保と国民年金の支払い分が控除されますが、国保の計算では適用されません。
2.所得税率をかける
所得税の課税対象所得は[年収-経費-青色申告控除65万円-基礎控除48万円-各種控除]です。
年収600万円(経費3割)を例にすると、課税所得は252万1,000円になります。
所得税の計算式は[課税所得×税率-控除額]です。2022年現在の所得税率早見表は、以下のようになっています。
課税所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円~ | 5% | なし |
195万円~ | 10% | 97,500円 |
330万円~ | 20% | 42万7,500円 |
695万円~ | 23% | 63万6,000円 |
900万円~ | 33% | 153万6,000円 |
1,800万円~ | 40% | 279万6,000円 |
4,000万円~ | 45% | 479万6,000円 |
年収600万円(経費3割)を例にした場合、フリーランスの所得税は[252万1,000円×10%-97,500円=15万4,600円]になります。
3.住民税率をかける
住民税の課税所得は、基礎控除が43万円になります。
課税所得を割り出す計算式は所得税の場合と同じですが、基礎控除額が違うので気をつけてくださいね。
年収600万(経費3割)で計算すると、住民税の課税所得は257万1,000円になります。
標準税率は、[区市町村民税6%+道府県民税/都民税4%]を合わせた10%です。さらに、年額4,000円(2014~2023年は5,000円)の均等割をプラスします。

課税所得×10%+5,000円。わかりやすいですね!
上記の計算式を使うと、年収600万のフリーランスの住民税は[257万1,000円×10%+5,000円=26万2,100円]です。
4.国民健康保険&国民年金の計算
国民健康保険の保険料率と均等割額は、居住地によって異なります。
対象となる基準額は[年収-経費-青色申告控除-基礎控除43万円]。年収600万円(経費3割)の場合は、312万円です。
仮に、首都圏の保険料率と均等割額で計算してみると……。
保険の種類 | 所得割率 | 均等割額 | 保険料 |
---|---|---|---|
医療 | 7.13% | 38,800円 | 26万1,256円 |
後期高齢者支援 | 2.41% | 13,200円 | 88,392円 |
介護 | 2.41% | 17,000円 | 40歳未満 0円 |
医療分と支援分を合計して、年収600万円のフリーランスの保険料は年間34万9,648円になります。

40歳以上のフリーランスは、介護分として92,192円が加算されます。
国民年金は、所得に関わらず一律の金額です。
2021年度の国民年金保険料は、16,600円×12ヶ月=19万9,320円となっています。
おまけ・個人事業税
フリーランス全員ではありませんが、一定の条件に該当すると、個人事業税の納付義務が発生します。
個人事業税に該当するフリーランスは、以下の通り。
何が法定業種になるかは、居住地の自治体によって異なる場合があります。
気をつけておきたいのは、フリーランスがどんな仕事をするにせよ、法定業種に含まれる「請負業」に該当する可能性があること。
請負業の個人事業税は、5%です。
納付額の計算式は[(年収-経費-290万)×3~5%]。
年収600万円のフリーランスの個人事業税(5%の場合)は、[(600万円-180万円-290万円)×5%=65,000円]になります。
フリーランスと会社員の税金はいくら違う?
フリーランスと会社員の税金は、いくら違うのでしょうか?所得税や住民税の額を比べてみましょう。
税金面ではフリーランスの方がお得
フリーランスも会社員も、所得税と住民税の税率は変わりません。
年収から差し引かれる控除額は会社員の方が高くなりますが、フリーランスは年収から経費を計上できるところにメリットがあります。
ただし、この金額はフリーランスの所得を経費3割で計算した場合です。
クライアントの事業所に出社する常勤型フリーランスの場合、家賃や水道光熱費などは経費計上できません。

税金を安くしたいからって、何でもかんでも経費にするのは絶対ダメです!
個人事業税と消費税が課される場合がある
フリーランスならではの税金に、個人事業税と消費税が挙げられます。
個人事業税は、先ほどお伝えした通り。[(年収-経費-290万円)×3~5%]です。
事業所得が年間290万円以下のフリーランスは、個人事業税の支払い義務はありません。
消費税は、年間1,000万円以上の売上があった場合のみ課税されます。
企業/事業所単位で支払う税金なので、個人事業主であるフリーランスにも納付義務が発生するというわけです。
消費税は、対象となった年の翌々年に納付するルールです。
フリーランスと会社員の保険料はいくら違う?
フリーランスと会社員の保険料は、はっきりいってかなり違います!いくらくらい違うのか、それぞれの保険料を比較してみましょう。
健康保険の違い
フリーランスも会社員も、所得に応じて保険料が決まるところは同じです。
ただし、フリーランスの全額自己負担に比べ、会社員は企業と折半する形になるため保険料が安くなります。
経費計上した上での計算でも、これだけの差!
フリーランスの国民健康保険がいかに高いかわかりますね……T T
年金の違い
フリーランスが加入するのは、国民年金のみ。会社員は、国民年金+厚生年金になります。
会社員は2つの年金に加入する形になるため、支払額はフリーランスよりも高いですが、老後にもらえる年金も高いです。
これまた大きな差が出ました。
月額にすると、フリーランスは毎月65,075円(少ない……)ですが会社員は毎月18万75円支給されるということです。

フリーランスの人は、国民年金基金やiDeCo(個人型確定拠出年金)の利用を検討しましょう。
会社員には雇用保険がある
会社員ならではの保険が、雇用保険です。
これは、フリーランスにはありません。
雇用保険の保険料は年収×0.3%です。
年収600万円の場合、[600万円×0.3%=18,000円]になります。失業したときに支給される金額は、月額(28日分)で約21万円です。
【まとめ】フリーランスの税金がいくらになるか早速シミュレーションしよう
フリーランスの税金がいくらになるか、計算することを考えると面倒ですが基本ルールを覚えてしまえば簡単です。
年収から経費を引くことができるため、同じ年収でも会社員より税額が少なくなることが多いです。
今年の税金は全部でいくらになるんだろう?と気になる人は、ぜひシミュレーションしてみましょう。
納付するときになって困らないよう、事前に税金分をプールしておくのがおすすめです。

『Cozy Home』
管理人:naka
お酒と映画と本をこよなく愛するフリーライター。3児を育てるシングルマザーです。